1.リビング
リビングの壁側に子供のモノ(写真左)、窓の前に子どもの服と日用雑貨(写真右)が置かれていました。モノが分散しているために使いにく、見た目も雑然。また、窓を塞いでいることが、部屋全体を暗くしていました。
棚に板を載せて渡しカーテンを掛けることで、カーテン内側のゴチャゴチャを隠すと共に、システム家具のような一体感を持たせることができました。
窓側にあった棚が移動し明るくなったリビングは、家族がくつろげるスペースに。
人目につく場所や家族がくつろぐスペースは、収納の機能を保ちつつできる限り見た目を整えて作りましょう。
(神戸市東灘区 Hさま邸片づけ実例)
HALFWAY
窓側に置かれていた棚を壁側に移動させ、子ども用品を一か所に集約。同じ場所で全ての作業を済ませられるようにしました。
今まで一緒くたになっていたモノを、「お兄ちゃんコーナー」「弟くんコーナー」とカテゴリー別にし、特に小学生のお兄ちゃんが自分で準備ができるよう、身長に合った場所に使いやすく収納。お子さんたちにとって使いやすい収納にすることで、お母さまも助かります。
使いやすくできたところで、次は見た目をアレンジ。今回は、たまたま同じ高さの棚が2つあったので、それを利用することにしました。
2.キッチン
BEFORE
キッチン足元の引き出し。お鍋やフライパン、フタ類が折り重なって収納されています。このままだと取り出しにくいし、隠れて見えないモノも出てきます。使いやすくするには、なるべく一目瞭然にする必要があります。ただし、どのツールも使っているとのこと。処分できるモノはありません。
HALFWAY
そこで注目したのが、ガス台から振り返ったところにあるオープン棚。(左の写真)
とても使い勝手のいい場所です。ここに、適正量を超えたレジ袋が置かれていましたが、レジ袋の収納だけに使うのはもったいない。レジ袋は、簡単に入れられる上のカゴにだけに保管することとし、ここに鍋を収納することにしました。(右の写真)
鍋やフライパンは足元の大きな引出しに入れるもの…と決め込んでいますが、実際は低い位置から重いモノを取り出すのは、なかなかの重労働。それが毎日のこととなると、その負担はかなり大きくなります。
そこで、使用頻度の高いモノをオープン棚に平置きしました。これであれば、腰を屈めることなくサッと出し入れができます。
AFTER
足元の引き出しには、それほど使用頻度の高くないツールを収納。立てて収納することで、なるべく重ならないようにしています。
こうすることで、捨てることなく使いやすいキッチンに改善することができました。片づけは、捨てるだけが手段ではありません。既存の棚の使い方を工夫し収納スペースを確保することも、片づけの手段のひとつです。
(宝塚市 Oさま邸片づけ実例)
3.パントリー
BEFORE
左側に大きな棚があり、ドアが全開できない状態なうえに、モノが床に直置きされているため、パントリーに入ること自体が大変な状態です。
ここでの一番の問題は、買って来た荷物を置いて棚に移す際、荷物を一旦載せる作業台がないこと。そのため、荷物を床に置き腰を屈めながらひとつひとつ取り出すか、キッチンカウンター辺りに荷物を置き、行ったり来たりしながら棚に荷物を入れていくか。どちらにしても大変です。
そこで注目したのが、そびえ立っている収納庫。高すぎるため、上の引き出しは覗き込めない状態です。ここを改善しつつ、作業台を作ることにしました。
AFTER
重ねていた引き出しを三つに分け、どの引き出しも覗き込める高さに。その上に、組み立て式の作業台をかぶせるように置きました。これにより、買ってきた荷物をラクに片づけらます。
また、左側の大きすぎた棚はパントリーから出し、代わりにドアが全開できるサイズの棚を入れ込みました。
収納することだけに気を取られると、使いづらい家になります。覗き込めないくらいの高さまで引き出しを作ったり、ドアが開かなくなるほどの大きな棚を入れ込んだりしてしまうのは、そのせいです。収納を作るときには、そこでする動作を考えることが大切。収納はモノを収めるためではなく、暮らしやすくするために作ります。
(神戸市垂水区 Sさま邸片づけ実例)
4.納戸
BEFORE
納戸そのものが活かされていません。土台となる棚がほとんどなく、モノがただ積まれている状態。そのため、奥や下のモノは取り出しにくく、隠れて見えないモノも多そうです。また、上や手前の空間は空いたまま。とてももったいない使われ方です。
どうしてこうなるかというと、収納の土台がないからです。広い空間は、よほど大きなモノを収納するのでない限り、上下左右前後にゾーン分けする必要があります。この場合も、まずはそこから手掛けます。
AFTER
納戸のサイズに合った大きな棚を左側に置き、窓をふさがないように真ん中を通路にすることで動線を確保。使うことのない脚立も、重いモノを置く棚として使うことにしました。
入り口に近い左側の棚には、手前によく使うモノ、奥にストック類を置き、それぞれをカゴにまとめました。特に、掃除道具は、棚の脇から取り出せるように。納戸に入り込むことなく取り出せる位置です。
これにより、奥のスペースまで余すことなく活かすことが可能に。広い空間は、棚などで区分けしてから使うことが鉄則です。
(神戸市東灘区 Sさま邸片づけ実例)
5.収納庫
BEFORE
玄関にある収納庫です。可動式の棚板ですが、枚数が限られているので、どの段も上部が空いていてスペースが有効に使えていません。また、この棚の左側は奥まで収納が続いているのですが、手前に壁があるために、ほとんど使われていませんでした。
たとえ作りつけの棚であっても、使いにくければアレンジが必要です。
AFTER
書類ファイルがピッタリ入る高さに棚板を移動させ、それぞれの段にできていた無駄スペースをなくしました。左奥のモノを出すときに、手前のモノをサッと移動させられるよう、小物は全てカゴに入れ収納しておきます。また、奥に入っているモノを分かりやすくするため、目立つ場所にラベルを貼り表示。死蔵品にならないよう気をつけます。
そして、下にできた空間にカラーボックスを設置。左と中央のカラーボックスにはキャスターを取り付け、奥から引っ張り出せるようにしました。
デッドスペースになりがちな場所も、工夫次第で使いやすくすることは可能。収納場所が足りないからといって棚を買い足す前に、今ある収納を見直してみましょう。
(神戸市東灘区 Iさま邸片づけ実例)